法科大学院(ロースクール)って何?

法科大学院とは、文字通り、法律を学ぶための大学院です。一般の大学院が研究者等になるためのものであるのに対し、法科大学院は法曹の実務に就くための学習をする場所です。法科大学院では、実務を意識した法律の学習をすることになります。なお、法科大学院は一般に、ロースクールと呼ばれています。

 平成18年度の新司法試験では受験資格として、法科大学院(ロースクール)の課程を修了した者という基準が出来ました。従って、新司法試験を受けるにはロースクールの課程を修了する必要が生じました。ロースクールを修了していないと、新司法試験を受けることすら出来ないのです。ロースクールは、新司法試験を受けるための登竜門なのです。

 新司法試験って何?、という人も少なくないと思います。そこで、念のため、新司法試験、旧司法試験について解説しておきます。

新司法試験とは平成18年度から行われるこれまでとは全く異なる新しい試験です。新しい試験が導入される一方、旧来と同じ方式で行われる司法試験も並存されることになりました。これを旧司法試験と呼んでいます。

 新司法試験が始まったからといって、旧司法試験がなくなってしまったわけではないことに注意する必要があります。司法試験に合格するためにはロースクール経由で新司法試験を受ける道もありますが、ロースクールに入学せずに旧司法試験を受ける道も残されているのです。現在のところ、ロースクールを修了しなくても、旧司法試験に合格すれば法曹三者になることは一応出来ることになります。しかし、今から勉強をはじめる人が、旧司法試験を目指すことはあまり現実的でないと思います。旧司法試験が残されたのは旧司法試験を目指して勉強してきた人の救済的意味合いを持っているからです。平成18年度試験での旧司法試験の合格者の枠は500程度しかありません。しかも、今後は新司法試験の合格者の枠が増やされていくのに対し、旧司法試験の枠はどんどん減らされ、いずれは枠がなくなってしまうのです。

 確かに、旧司法試験を受けて合格すると、ロースクールで勉強する2〜3年の時間を省略することが出来ます。そのことを重視すれば、旧司法試験を受けるという選択もあることは事実です。しかし、現時点である程度の勉強をしているならともかく、今から勉強をはじめる人が旧司法試験を受けるのはあまり現実的ではないと思います。回り道と思う人もいるかもしれませんが、ロースクールに入学し、新司法試験を受けるほうがはるかに現実的だと思います。

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